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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第38章 シャボン玉の島




身体に触れるな、キスをするな。

簡単に言ってくれる。

お前はそれがどれくらいしんどいことか、まったくわかってないんだろうな。

モモの要望は、例えば他の女であったなら、頼まれたってするものか! と鼻で笑ってやるレベルのものだった。

しかし、相手がモモだってだけで、こうも難しい。

別に触れようと思って触れてるわけじゃない。

キスしようと思ってキスしてるわけじゃない。

ただ、頭で考える前に、本能みたいに身体が動くのだ。

触れずにはいられない。
キスせずにはいられない。

そんなふうに…。


「と、とにかく…。もうしないでね?」

言ってることがめちゃくちゃなローに、モモはたじたじになりながらも念押しをする。

「……。」

彼女の言うことは間違ってはいない。

別に自分たちは恋人同士であるわけでもなければ、本当にただの仲間だ。

シルフガーデンで出会い、気に入って仲間に引き入れた。

ただそれだけのはずなのに…。


そう、厄介なのはこの身体。

長い間、どんな女にも反応しなかったローの身体は、どういうわけかモモにだけは反応してしまう。

こうしている間にもホラ、先ほどの触れ合いのせいで下半身は熱を持ったままだ。


そもそも…、悪いのはコイツの方じゃねェのか?

まるでローにばかり責任を押しつけるけど、もともと煽るようなマネをしてきたのはモモだ。

あんなに可愛い顔で、唇を突き出して…。

あれでキスをしない方が、どうかしてる。

それでもって、キスをしたらもっと先まで進みたくなるのは、自然なことではないか。

だから、今回のことは全てモモが悪い。


つまり…、彼女にはローの熱をどうにかする義務があるといってもおかしくないのだ。

モモの要望など、なんのその。

勝手に理由をつけてしまったローの瞳に、怪しい光が宿る。



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