第38章 シャボン玉の島
とりあえず部屋割りも決まり、ひと段落したところでローから次の目的地が発表された。
「わかってるとは思うが、次の目的地はシャボンディ諸島だ。」
シャボンディ諸島…?
当然のことながら、聞いたこともない島の名前にモモとコハクは首を傾げる。
「そりゃ、そうッスよね! あそこに行かなきゃ、話にならねぇ。」
「アイアイ、あの島に行くのも2年ぶりだね。」
「俺はあの島には良い思い出がないな。」
みんなは1度、その島に行ったことがあるみたいだ。
前回のシルフガーデンは理由が理由のため仕方なかったけど、彼らが同じ島へ行くとは珍しい。
「そのシャボンディ諸島ってとこ、前にも行ったことあるのか? ジャンバールはあんまり行きたくねーみたいだし、どうして何度も行かなきゃならないんだよ。」
ジャンバールの心境を悟って、コハクが口を開いた。
「ああ、違うんだコハク。すまん、いらない心配かけたな。」
「…なにが違うんだよ?」
だって、そんなに行きたくなさそうなのに、無理して行くことないじゃないか。
その問いには代わりにローが答えた。
「新世界に入るには、どうしたってあの島で船をコーティングしなきゃならねェ。ジャンバールには悪いが、行かねェわけにはいかないな。」
「いや、船長。あんたが気にすることじゃない。悪かった。」
なぜジャンバールがシャボンディ諸島に行きたくないかはわからないけど、船をコーティングっていう意味が分からない。
「コーティングって、なに?」
「ああ、そっか。モモたちは知らないんだね。これから おれ達の行く場所は、グランドライン後半の海、通称“新世界”だよ。」
「新世界…。」
グランドライン後半の海域をそんな風に呼ぶだなんて知らなかった。
「新世界に行くには海底10000メートルを潜って、レッドラインをくぐらなきゃいけないんだ。」
「い、いちま…ッ!?」
なにそれ!
海底10000メートルだなんて、それこそ新世界じゃないか。