• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第37章 冒険の海へ




「ちょ、ちょっと…ッ、これって…どういう…!?」

状況がさっぱりわからない。
誰か、説明して欲しい。

目をぐるぐると回すモモに、ローはくすりと笑った。

「お前は俺に言ったな。コハクを海に連れ出し、医者にして欲しいと。」

「え…。い、言ったわ。」

それはローがなんでも叶えてくれると言ってくれたときの、モモのずうずうしい願い。

「仲間の命を助けてもらったんだ。それくらい叶えてやるのはなんてことねェ。」

「う、うん…。」

あなたはわたしの願いを叶えてくれた。

だからコハクは旅立つのでしょう?

そんなことはわかってる。

でも、モモが聞きたいのはそんなことじゃない。

どうして自分が今、この船の上にいるのかってこと。


モモの問いに答えるように、ローは再び口を開く。

「お前は俺たちにとって恩人だが、それはコハクも同じことだとは思わねェか?」

「え…?」

確かに、ローをモモのところへ連れてきたのはコハクだ。

コハクがいなければ、ローはモモのところへたどり着けず、自分たちは出会うこともなかったかもしれない。

「だから、同じようにコハクの願いを叶えてやるのも当然だろう…?」

「それは…、でも…、え…?」

つまり、なに?

コハクの願いっていうのは…。


「コイツは俺に“お前を島から連れ出して欲しい”と願った。だから俺はそれを叶えてやる。」

「……えッ!!」

驚いてコハクを見ると、彼はイタズラっぽくニカリと笑った。

ちょっと待って、でも、わたしは…。



/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp