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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第37章 冒険の海へ




コハクが旅立つ決心をしてくれた。

そうと決まれば、もたもたとしてられない。

旅立ちの準備をしなければ!

なにせ出航は明日の朝。
準備が終わらないからといって、先延ばしにしてもらっては決まりが悪い。

そのためモモとコハクは、大急ぎで準備をする羽目になった。


詰め込めるものは、今日のうちに船に乗せた方がいい。

荷物運びはクルーたちが買って出てくれたので、モモたちは荷をまとめるだけで良かった。

服に薬に、あとそれから…。
なんだっけ?

思えばモモ自身、きちんと準備をして船に乗ったことがなかったので、パッと思いつかない。

「いいよ、母さん。テキトーで。足りないものがあったら、ローに買ってもらうから。」

一方、コハクはずいぶんと余裕である。

「そんなこと言って、大事なものを忘れて行っても知らないわよ?」

「大事なもの…? ああ、そうだ! 本を持っていかなきゃ!」

メルディアが持ってきたお気に入りの医学書たち。

コハクは慌てて本を取りに駆け出した。

「あ、コハク。本ならたぶん、ローがたくさん持って…って、聞いてないわね。」

本の虫なところも、誰かさんにそっくり。


「…ヒスイ、コハクを頼んだわよ。」

モモは小さな相棒を撫でた。

「きゅう…。」

思えば、コハクをここまで育てられたのはヒスイのおかげ。

ヒスイはモモの相棒として、そしてコハクの相棒として、常に自分たちを見守ってくれてた。

だけどこれからは、再びローたちのもとへ行き、コハクの傍で彼を支え続けて欲しい。

「ありがとね、ヒスイ。」

「きゅい。」

いつも傍にいてくれて、ありがとう。


そっとヒスイの身体を抱きしめたモモは、ヒスイの目に涙が少しも溜まっていないことに気がつかなかった。



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