第36章 心に灯る火
紅潮していたモモの顔はさらに赤らみ、喉からは嗚咽のような呼吸が漏れた。
その羞恥に耐える表情を、ローは堪らない気持ちで見つめた。
コイツ、わかってんのか。
今、そういう表情は……、逆効果だ。
一度欲望を吐き出したはずの屹立は、もう痛いほど起ち上がっている。
しかし、ソレをいきなりブチ込むほどローのネジは飛んでいない。
涎を垂らしながら待ち構える欲望を制し、蜜に濡らした指を彼女の中へと突き立てた。
「ひッ、あ…あァ…ッ」
急な異物感に、モモの身体がのた打ち、暴れる。
狭い……。
コハクを産んでから、一度も交わったことがないのか、彼女の中は純潔の乙女のように狭かった。
久しぶりに異物を迎え入れたであろう蜜壁を傷つけないよに、ゆっくりと指を奥まで潜り込ませていく。
「はぁ…、あ…ッ」
その喘ぎ声に苦しみが混じらないよう、細心の注意をはらった。
指の付け根まで飲み込ませると、今度は中の壁が蠢き、ローの指をきゅうきゅうと締め付ける。
それを合図に柔く抜き差しすると、奥からトロリとした蜜が溢れ出した。
「んぁ…ッ、は…ぁ…ッ」
嬌声に甘さがこもり始めたことに、ローは気づいていた。
「…気持ちいいのか?」
「ちが…ッ、ん…あぁッ」
反論した瞬間、グリリと壁を擦ると、快感に震えたモモは言葉を紡げなくなる。
可哀想に。
モモは感じやすい体質なのだ。
哀れに思いながらも、自分の愛撫で悶え喘ぐ彼女に、ローは口元に笑みを作るのを止められなかった。
もっと、感じさせたい…。
そう強く思う反面、透明な雫を零すロー自身は、一刻でも早くモモの中に入りたいとローを急かす。
どのみち、このままでは保たなそうだ。
「チッ……。」
舌打ちをひとつ吐くと、ローは責める指の数を増やし、少し乱暴にグチャグチャと掻き回した。
「んぁ…ッ、ひ…ぁ…ああッ!」
激しい指の動きに耐えられず、モモは背中を弓なりに反らして痙攣する。
同じく痙攣した内部に、彼女が達したのがわかった。