第36章 心に灯る火

｢……ッ｣

モモの柔らかな唇が、刺激を欲し続ける屹立へと触れた。

たったそれだけなのに、ぞくぞくするほど気持ちがいい。

ローは彼女の頭に指を差し込み、もっとしろ…と促した。

｢ん…。｣


チロリ…。

今度はモモの小さな舌が、アイスクリームを舐めるように亀頭をくすぐる。

そのもどかしい刺激に、ローは彼女の頭を手繰り寄せ、無理やり口内にねじ込みたい衝動を堪えるのに苦労する。

そんなこととは知らないモモは、たどたどしい舌遣いでローを責め立てた。


｢ハァ……ッ｣

切なげに零れたため息に、モモはゾクリと震えた。

(ねえ、…気持ちいい？)

自分がヘタクソなのは重々承知。

それでも、ローは反応を見せてくれる。

(嬉しい…。)

最初は犯されないために提案した、苦渋の選択。

けれど今は、ローを喜ばせてあげられることに、確かな喜びを感じていた。

｢ん…ふ…。｣

その心境の変化は、少なからずモモに勇気を与える。

消極的だった奉仕は次第に大胆さを増し、モモから羞恥心を奪っていく。

張り詰めた肉棒を口の中に含む。

モモの口は小さくて、全てを飲み込むことは決してできず、半分も咥えられないまま、いっぱいになってしまう。

｢く……ッ｣

けれども、かえってその狭さが気持ちいいのか、ローは微かな呻き声を漏らした。

苦しそうなその声に胸がときめき、興奮したモモの身体が熱を帯びていく。


もっと、気持ちよくなって…。

咥え切れなかった屹立の根元に指を絡ませ、上下に擦った。

そして口の中で未だ質量を増すソレに舌を這わせて強く吸い上げた。

｢…ぅ、ハァ…。｣

刺激を与えるたびに発せられる声が聞きたくて、優しく撫でられる髪が気持ちよくて、モモの表情は先ほどの強張ったものから、いつの間にか恍惚としたものに変わっていた。