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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第35章 歌とぬくもり




(やべぇ、なんか変な空気になっちまった…。)

悪ふざけが少し…イヤ、だいぶ過ぎてしまった。

シャチの目から見ても、ローがモモを気に入ってるのは丸わかり。

だから悪ふざけ半分、ローの背中を押したの半分のつもりが、事態はあらぬ方向へ転がってしまった。

忘れてた。
船長は超がつくほど素直じゃないんだ。

チラッと横目でモモの様子を窺ってみるけど、微笑みを浮かべた彼女は なにを考えているのかはわからない。

別になんとも思ってないのかも…。

そのことに少なからずガッカリした。

もし、落ち込んでくれでもしたら、脈があるかもしれないのに。

ローが女に興味を持つなんて、奇跡に近い。

モモに子供がいようが、好きな男がいようが、なんとか2人をくっつけたかった。


「おい、ロー。母さんに興味ないとはなんだ! 仲間を助けてもらったくせに、恩知らずなヤツだな!」

大好きな母に興味を持たれても嫌だけど、興味ないと言われれば、それはそれで腹が立つ。

「ふん…。礼なら、なにかしらしようと思ってるさ。」

思ってもいない暴言を吐いてしまった手前、ばつが悪くて少しふてくされたように答えた。

大事な仲間を救ってもらったのだ。

なにもしないでいられるほど、ローは恩知らずではない。


「あら、そんなの別に気にしなくてもいいのよ。そういうつもりで協力したんじゃないから。」

「そっちが良くても、このまま借りを作りっぱなしじゃァ、俺らの面子が立たねェ。」

そういうものだろうか。
借りだなんて思わなくていいのに、厄介なものだ。

「でも、思いつかないわ。」

本当はひとつ、思い浮かぶことがあるけど、それをローに願うのは、ずうずうしいだろう。

「ベポの治療は、あとどのくらいで終わる。」

「そうね。念のため、あと2、3日は様子が見たいわ。」

それが過ぎたら、お別れだ。


「なら、その間に決めておけ。」



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