• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第35章 歌とぬくもり




「ゲホ…、お、お前…いきなりなに言い出すんだよ!!」

同じく咽せ混みながらもモモの背をさすり、コハクはベポを睨んだ。

「え、なにかおかしいこと言ったかな、おれ。」

「「おかしいとこだらけだわッ!」」

仲間たちの突っ込みが飛ぶ。

ロー本人も、不意打ちのような発言に動揺を隠せず、口の中のものを吐き出すような惨状こそ免れたが、しばらく顔を上げられそうにない。

「そうかなァ…。ねえキャプテン、どう思う?」

こっちに振るな…!


「あァでも、確かに船長とモモなら、絵になること間違いないッスねぇ。」

「あー、美男美女だもんなぁ…。悔しいけど。」

ふと頭の中に2人が寄り添う姿を思い描くと、ビックリするくらい、しっくりくる。

「はぁ? 母さんはいいとして、なんでローが美男になるんだよ。ただ目つきが悪いだけだろ。」

母と並ぶなど、100年早い。

「船長の良さを知るには、お前にはまだ早いかもしれないな…。」

「なんだよ…!」

遠まわしに「まだ子供だ」と言われた気がして、今度はジャンバールを睨みつけた。

「で? どうなんスか、船長。モモのこと、ちょっといいと思いません?」

悪ノリしたシャチとペンギンが、いつの間にかベポ側にまわり、ワクワクと尋ねてくる。

コイツら…!


「あ、あの…。」

しばらく黙っていたけど、この場の空気に耐えきれず、モモはついに声をあげた。

みんな、忘れてない?
わたし、ここにいるんだけど…。

しかし、おもしろい話題を見つけてしまった2人の悪ふざけは止まることなく、むしろ悪化していった。

「おい、2人とも…。そのへんにしておけ。」

固まり続けるモモを不憫に思ったのか、ジャンバールが止めに入るけど、その声すら耳に入らないようだ。


「ねえ、船長どうなんですか!? やっぱり、船長もモモことを良いと思う?」



/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp