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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第33章 再会の指針




「別にお前がどんな理由でつきまとっていようが、どうでもいい…。俺の質問に答えてもらおうか。」

「…悪党の質問になんか、誰が答えるかよ。」

ベーッと舌を出すコハクに、ローは忌々しく舌打ちをする。

(このガキ…、優しくしてやってりゃァ、つけ上がりやがって…。)

実際はまったく優しくしていないというのに、これだからガキは嫌いだ、と張り倒すのをガマンした。


「ねえ、船長…。」

「あ…?」

ローの拳が飛ぶ前に、恐る恐るといった様子でシャチが口を挟む。

そういえば、シャチはトラップを仕掛けた犯人をぶっ飛ばすとか言ってた気がする。

犯人はこんなガキだったとはいえ、それで怒りが収まるものではないだろう。

しかし、ここで本当にぶちのめされては困る。
シャチを納得させねばと考えたとき、彼はローの想像とまったく違うことを言い放った。


「コイツ、船長にソックリですけど…まさか船長の隠し子ですか?」


「「んなこと、あるわけねェだろッ!!」」

その発言に、ローはもちろんのこと、コハクまでもが怒鳴った。

「俺はこのガキみてェに、目つきは悪くねェ。」

「それはこっちのセリフだ、コノヤロー! オレはお前みたいな凶悪面じゃねーよ!」

「…なんだと、このガキ。」

ジリジリと睨み合い、その余波がこちらにも飛んでくる。

いやいや、どっからどう見てもソックリだけど…。

これで血が繋がってなければ、どんな奇跡だ。


「ははぁ、コレはアレっスね。世の中には自分と似ている人間が3人いるってヤツ。」

唯一、のほほんと様子を眺めていたペンギンがマイペースに見解した。

「…世の中には、おんなじ顔が3人もいるのか?」

ローから目を離し、コハクはペンギンを見上げた。

「そうッスよ。聞いたことねぇのか?」

それはただの都市伝説だ、と突っ込みたくなったが、コハクはそれを信じたようだ。


「でもオレは、コイツに似ちゃいねーけどな!」

フンと顔を逸らされ、それはこっちのセリフだと苛立った。



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