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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第32章 流れゆく時代




…1年後。


ガレーラカンパニーにて。


「ンマー!! よく来たな、オマエら。」

ハートの海賊団は、新しい船を受け取るため、1年ぶりにウォーターセブンを訪れていた。

今日は約束の日。

ローたちは今日、ここで船を乗り換えるのだ。

「…船は出来ているんだろうな。」

「当たり前だろう、俺たちを誰だと思っている。」

天下の造船会社『ガレーラカンパニー』だ。

納期が早まることはあっても、遅れることなどありはしない。


「早速船を見るか?」

「ああ。」

新しい船は潜水艦。
全員で話し合って決めた結果だが、実際の出来栄えはどのようなものか。

「やっと船、新しくなるんだね。」

「ああ、この1年で今の船もずいぶん傷んじまったからな。限界がくる前に間に合って良かったぜ。」

「でも、今日でお別れだと思うと、ちょっと寂しいッスね。」

3人が思い思いの言葉を口にするのを聞き、アイスバーグはチラリと目を向けた。


「…そういえば“あの子”はどうしたんだ。」

「あの子…?」

誰のことかわからず、眉をひそめて聞き返した。

「一緒に来ていないのか、1番楽しみにしていそうなのに。」

なにをわけのわからないことを。

「誰のことを言っているのかは知らねェが、俺の仲間はここにいるヤツらで全員だ。」

ボケたか、おっさん…と呟けば、アイスバーグは本当に驚いた顔をした。


「……そうか。」

この1年で、彼らには大きな変化があったようだ。

億越えの賞金首となった“死の外科医”は、1年前に出会った青年とはまるで違う雰囲気をかもし出している。

目の下の隈は濃くなり、オーラが刺々しい。

それは、きっと“あの子”がいなくなったせいだろう。



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