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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第30章 宝よ眠れ




雲ひとつ無い夜空には、満天の星が瞬く。

「あ、ロー見て。流れ星!」

ひとつふたつ、キラリと星が流れた。

「…見た? ホラ、また!」

「ああ。」

「嘘。見てないでしょう。」

「くく…、見てるさ。」

それに喜ぶモモを見てる。

バカにされたと思ったのか、頬を膨らませている。

仕方がないから、彼女の肩を後ろから抱いたまま、夜空を見上げた。


キラリ、と再び星が流れる。

「見た…!?」

「ああ。」

今度は本当に。

「綺麗だよね。」

「まァ、悪くはねェな。」

すると、モモは嬉しそうに微笑む。

「…なにがそんなに嬉しいんだ。」

「ふふ。だって、ローと同じものを共有できたんだもの。」

美しいものを、一緒に美しいと言える。

ねえ、知ってる?
それってすごく、奇跡みたいなことなんだよ。

この広い海で、あなたに出会えた奇跡。

例えこの先、なにがあったとしても、わたしはこの奇跡に感謝したい。


「星くらいで大げさなヤツだな…。こんなもん、いくらでも一緒に見られんだろ。」

星だけじゃない。
天空の島だって、海底の島だって、これから先、見たこともない景色を一緒に見よう。

きっと彼女は、そのたびにいちいち感激して、花のような笑顔を咲かせるのだろう。

ローはそれがとても楽しみだった。


「ねえ、こうして2人でここにいると、あの日のことを思い出すね。」

「…ああ。」

空には満天の星。
そしてモモの薬指には、ひときわ輝く星がひとつ。

「わたし、あの日ほど感動することって永遠に無いんだろうなぁ…。」

彼がくれた最高の贈り物。
愛を形にしてくれたあの日の感動を、モモは絶対に忘れない。



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