第29章 最後の出航
「は…ッ、ん…ぅ…ッ」
揺さぶられるたび、モモの身体を得も言われぬ快感が突き抜け、堪えきれずにローの背に爪を立ててしまう。
「く……ッ」
その刺激にローが呻き声を上げ、中の屹立がよりいっそう固くなった気がした。
「ああ…ッ」
たったそれだけの刺激に、どうにかなってしまいそう。
「ぅ…、力を…抜け…ッ」
感じすぎた蜜壁が伸縮を続け、固さを増した屹立をぎゅむぎゅむと締め付けた。
だけど、そんな苦しそうなローの声にすら感じてしまい、モモは力の抜き方を思い出せない。
「チ…ッ」
苦しげに舌打ちをすると、腰を抱き直し、激しく律動を加えた。
ズチュヌチュと淫らな水音が響き、モモの蜜とローの先走りとが混ざり合って、白く泡立つ。
「あ…ッ、んン…ッ」
腫れ上がった楔の先が、モモの感じやすい箇所を擦り上げると、そのたびフワリと浮遊感が襲いくる。
気を抜けば意識を手放してしまいそう。
「…勝手に…イくんじゃ…、ねェよ。」
戦慄く唇に熱い口づけが降り、モモを逃がさまいと絡みつく。
「ふむ…ぅッ、ん…ッ」
キスで繋がり、身体も繋がり、幸せすぎて頭がおかしくなりそう。
知らず知らずのうちに涙が溢れる。
「はァ…、モモ…ッ」
涙に濡れた金緑色の瞳。
この世界に、これ以上美しいものがあるだろうか。
どんな金塊も、財宝も、この瞳の前ではガラクタ同然に姿を変えてしまうだろう。
俺の…、宝石…。
この世で1番の宝はなにか。
そう尋ねられたら、ローは間違いなく彼女だと答える。
とろけるように こちらを見つめる瞳に、そっと口づけた。
愛おしい、
愛おしい…。
鈍感な彼女に、この気持ちが少しでも伝わればいい。
「モモ、愛してる…。」
「---ッ!」
そう囁いた瞬間、モモの中がおもしろいくらいにビクついた。
喜びに打ち震え、瞳からはポロポロと涙が落ちる。
モモは嬉しすぎて、そのまま泣き笑った。
「……ッ」
くそ、その顔…、反則だろ…ッ
身体も心も撃ち抜かれ、ローはひときわ激しく楔を穿つと、彼女の最奥で熱い想いの丈を吐き出した。