第29章 最後の出航
『あなたが、わたしのどこを好きになったか知りたい。』
モモは自分に好きなった理由を求めた。
どこを?
フザけんな、好きにならない理由がねェ。
なァ、俺の方こそ教えて欲しい。
お前のどこを見れば、こんなに好きにならずにすんだんだ。
彼女の優しさ、強さ、真っ直ぐさ。
全てを知ってしまった。
それを知って、どうしたら惹かれずにいられる。
教えてくれよ…。
狂おしいほど胸を占める恋情に、自分がただの男になっていくのを感じた。
すっかりぐしょぐしょになってしまった下着を足先までずり下ろすと、すでに痛いくらいに起ち上がったロー自身をあてがい、一気に挿入した。
「あァ…ぁ…ッ」
愛する人を自分の中に受け入れられた幸せに、モモは新たな涙を滲ませる。
「あったけェ…。お前の中も…、堪らなく好きだ。」
人の温もりなんて、長らく忘れていた。
きっと、モモに出会わなければ忘れたままだったことだろう。
恋など無縁と思ってた。
誰かを愛せば、温もりを感じずにはいられないと知った。
抱きしめるくらいじゃ足りない。
もっと、もっと、身体の奥まで…。
根元まで全部押し込むと、心に言い表せぬ満足感が広がる。
ずっとこのままでいたいけど、そうしていられないのが男の性。
ズルリと楔を引き抜くと、彼女の蜜壺が引き止めるように、きゅうきゅう吸い付いた。
「ん…ッ、う…ぁ…ッ」
同時にモモが切なげに鳴く。
中にいて欲しいのは、彼女を同じらしい。
「ふ…、慌てんなよ。出ていきゃしねェ。」
ズンと再び蜜壺へと己を埋める。
「はぁ…ッ、あ…ッ」
押し寄せる快感に身体が震え、仰け反った拍子にローの腕が腰を抱いた。
そのまま揺さぶるように注挿を繰り返していく。