• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第28章 心の痛みを




“奇跡の歌い手 セイレーン”

ホワイトリストのランクはS。

どうして自分が数あるホワイトリストの中で、最高ランクを誇るのか、理解できなかった。

でも、今ならわかる。

セイレーンの歌には、限りない可能性があるのだ。

使い方によっては、女神にも兵器にもなる。

多種多様の能力。


モモは自分の能力を、悪事に使ったことは、ただの一度もない。

今はまだ…。




「あなた…、本当にそんなことをするつもり…!?」

モモの告白を聞いたメルディアは、今度こそ信じられないと驚愕する。

「そこまで…、そこまでする必要…ないでしょ!」

「ううん、あるわ。メル、本当はわかってるんでしょ。」

こうでもしないと、ローはモモを離してくれない。

「そんな…。でも…それじゃ、あんまりにも…ッ」

あんまりにも不憫だ。

「わたし…、最低な女でしょう。」

どんな顔をしたらいいか、わからないのだろう。
モモは泣きそうな顔で無理に笑った。

その顔が今にも泣き出しそうで、見てるこっちが泣きたくなる。


「…バカッ!」

見ているのが辛くなって、メルディアはモモを思いっきり抱きしめた。

豊満なバストにモモの顔が埋まる

「…メル、苦しい。」

「うるさい、バカ! そんな切ない顔をして、ひとりで抱え込んで…ッ、本当にバカな子!」

「……! メル…。」

メルディアの声は震えていた。

泣いているの…?


「あなたって子は、本当に最低な女ね。」

「……。」

その通りだ。
自分は最低なことをしている。

「でも、私も同じようなものよ。…だから、あなたに協力してあげる。」

「……え?」

零れ落ちるメルディアの涙が、モモの顔に降り注ぎ、頬を濡らした。



/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp