第28章 心の痛みを
ローの首筋に腕を回し、頭を抱き寄せたモモが、不意にパクリとローの耳朶を食む。
「……ッ!」
それはいつもの仕返しか、それともただのイタズラか。
どちらにせよ、煽られていることは間違いない。
モモの短い舌が、口内でチロチロと柔らかい耳朶を弄ぶ。
「ふ…ッ、や…止めろ…ッ」
こっちは必死で腰を打ちつけたいのを我慢しているというのに、この女ときら…!
「え、どうして? 気持ちよくない?」
耳から口を離して きょとんとするモモは、おそらくなにもわかっていない。
(この…、天然小悪魔が…ッ)
口で抗議しない代わりに、下半身のロー自身がモモに抗議する。
「……あッ」
明らかに自分の中で質量を増したソレに、モモは戸惑いを隠せない。
「バカが…ッ、煽りやがって! 少し強くするぞ。…いいか?」
ダメなんて言えない。
ローは明らかに切羽詰まっている。
「…いいわ。」
そう言うやいなや、ローはモモの脚を抱え上げると、大きく開かせて、熱を増した楔をズプンと奥へ穿った。
「ん…ッ、ああ…ッ」
途端にさっきまで優しかった熱が、マグマのように燃えたぎる。
限界が近くなってしまったローは、そのまま何度も腰を打ちつけた。
パンパンと肉同士がぶつかり合う破裂音が部屋に響く。
「はぁ…ッ、あ…んァ…ッ」
先ほどの冷静さが嘘のよう。
くらくらとした快楽は、あっという間にモモを飲み込み、その口からは嬌声しか出てこない。
「ぅ…ッ、すげェ…いい…ッ」
溜まりに溜まった情欲が、ローを追い詰めた。
「くそ…、イキそうだ…ッ」
本当はまだモモの中にいたかったけど、押し寄せる快感が止められない。
「あ…ッ、イ…って、わたしも…--」
腰を抱き、ひときわ律動を激しくさせると、ぐちゃぐちゃになった接合部がきゅんきゅんと締まる。
「く…ッ、イ…く…ッ」
ローが苦しげに眉を寄せたあと、モモは体内に熱い白濁が注がれたのを感じて、自分も身の内を震わせた。