第27章 決意
「さて…。確認だが、この間 聖地マリージョアで世界会議があったな。お前はそれに出席した。間違いないか?」
「あ…ああ、俺様は王だからな。」
ワポルはそれがどうかしたのか、というように答えた。
「今回、その世界会議に…ドレスローザ現国王 ドンキホーテ・ドフラミンゴも出席した。そうだな?」
ローの問いにワポルはゴクリと息を飲んだ。
ドフラミンゴのことを思い出したからだ。
あの男の異様なオーラときたら…。
会話はひと言もしていないというのに、恐ろしさに震えた。
「強盗が…、七武海になんの用だ。」
「それをお前が知る必要はない。お前はただ、俺の質問に答えるだけでいい。」
さもなくば、命はない。
ローの手にある心臓が、そう物語っていた。
(クソ…ッ、このカバ野郎め…!)
ワポルは文字通り命を握られてしまい、逆らうことができない。
「ヤツの国が今、どういう状況になっているか知りたい。世界会議で知ったことを全て話せ。」
「…話せば、俺様の心臓を返すんだな?」
「ああ、俺は取引の上で嘘は吐かない。」
それはローの海賊としてのプライドだ。
(別に海賊が治める国なんざ、どーでもいい! それで俺様の心臓が返ってくるなら、安いもんだな。まーはっはっ!)
ワポルにとっては、例えローが大悪党で、情報を漏らすことによりドレスローザに危険が迫ったとしても、どうでもいいこと。
せいぜいあの恐ろしい男に、返り討ちにされればいい。
だから、そのカバのような口から、自分が知る情報を洗いざらい流した。