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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第4章 ホワイトリスト




4人で探し回れば、すぐにでも見つかる。

そう考えていたが、甘かった。
この街には思わぬ障害があったのだ。

(チッ…。なんだってこの街はこんなに海軍がいやがるんだ。)

行く先々に海兵。

ローたちは賞金首だ。見つかったら面倒なことになる。
モモを探している間は、極力面倒事は避けたい。

だが、海兵たちの様子は少しおかしい。
全員キョロキョロと、誰かを探しているようだ。


「そっちにセイレーンはいたか!?」

「いません。本当にこの島にいるんですか?」

「住民から目撃情報が入ってる。必ずいるはずだ、隈無く探せ!」

物陰で息を潜め、海兵の会話を盗み聞く。

(…セイレーン?)

セイレーンとは、美しい歌声で男たちを魅了すると言われる海の妖精だ。
まさか本当に妖精が街に出たわけじゃないだろう。
何かの暗号か、とローは耳を澄まして海兵たちの会話を聞く。

「いいか、セイレーンは金緑色の瞳をした17、8の女だ! 言葉は話さないらしいが油断はするなよ!」

はっ!と海兵たちが敬礼をして散らばる。


(…なんだと?)

今、海兵が言っていた特徴に、嫌ってほど心当たりがある。

金緑色の瞳で、言葉を話せなくて。
キャラメル色の髪をたなびかせ、身体からふんわりカモミールの香りがする。

男慣れしてなくて、ローのちょっかいにいちいち顔を真っ赤にして、笑顔がとてつもなく可愛い。

「…モモ!」

海軍に追われているのは、間違いなく彼女だ。

(ちんたらしてるヒマはねェ。海軍より先にモモを見つけ出さねェと!)

なりふり構ってられない。
ローは海兵たちに見つかるのも気にせず、大通りを駆け抜けた。



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