第4章 ホワイトリスト
(あの人、大丈夫だったかな…。)
モモは逃げ出しながらも、先ほど出会った女のことを気にしていた。
モモを助けてくれるくらいだ、よほどの腕はあるのだろうけど、心配しない方がおかしい。
つい後ろを気にしながら走っていたから、前方への注意が疎かになっていた。
ドン!
「おっと、大丈夫かい?」
街角で男とぶつかってしまった。
その表紙に被っていたフードが取れる。
(ごめんなさ--)
慌てて頭を下げようと振り向くと…。
「お前、セイレーン!」
「--!!」
ぶつかった相手は、運悪く海兵だった。
「キャプテーン!島が見えたよ!」
「よし、すぐに上陸させろ。」
「アイアイ!」
ローたちが島に上陸したのは、モモがいなくなったと気がついた数時間後のことだった。
(アイツ、無事に島に着けたんだろうな…。)
なにせただの小舟だ。
遭難した可能性だって十分ある。
「船長! アレ、うちの小舟じゃないスか!?」
ペンギンが指差した方向には、確かにこの船からなくなったはずの小舟。
「ってことは、モモは無事にここに来れたんだね。良かった~!」
ローも安堵の息を吐く。
「すぐに探せ。俺の船からモノを盗むなんざ、ただじゃおかねェ。きっちり落とし前をつけてもらう。」
(とか言っちゃって、船長が一番心配なんだろうよ。ずっとソワソワしてたもんな。)
(ちぇ、俺も割と本気だったんスけどね…。船長相手じゃ勝ち目ねえや。)
(ボクはモモが船に残ってくれるなら、それでいいや。)
3人はコソコソと話し合う。
「なにしてんだ、さっさと行け!」
「「アイアイサー!」」
みんな船から飛び降りて、すぐさま散った。
同じように、ローも船から降りる。
仲間にはああ言ったが、必ず自分が一番に見つけてみせる。
「逃がさねェと言っただろうが。」