第27章 決意
一方、ドラムロッキー山頂では、すっかり夜の帳が下り、松明で辺りを照らしながらも警備は各段に手薄になっていた。
「…そろそろ行くか。」
ローの言葉にシャチとペンギンは待ってましたとばかりに声を上げた。
「良かった…、そろそろマジで眠っちまうところでしたよ。」
「寒くて手足がガチガチッス。」
長時間待機していたせいで身体はすっかり冷え切っている。
「…で、どうします? 警備兵のひとりを捕まえてみますか?」
「いや…。外で騒がれたら面倒だ。国王の居場所は中で聞こう。」
「中でって…、その方が面倒になりそうじゃないッスか?」
侵入がバレて騒がれれば、城内はあっという間に混乱し、国王に尋問するどころか、脱出も面倒になりそうだ。
「バレても被害が少なくなるように、地下へ侵入する。万が一騒がれたら、地下にいるヤツら全員を黙らせればいいだけのことだ。」
「なんともワイルドな…。」
「心配しねェでも、ちゃんと人気が少なそうなところを選ぶさ。」
“ROOM”
“スキャン”
城にサークルを張り、城内をスキャンする。
そうすることで、どの場所に何人いるかが手に取るようにわかった。
(あの部屋だな…。)
地下のとある部屋。
そこにいる人間は、たったひとりだけ。
好都合だ。
国王の居場所を聞き出し、簡単に口も封じられる。
「行くぞ。」
“シャンブルズ”
くるりと手を回すと、ローたち3人の身体は城内へと一瞬で飛んだ。