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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第26章 魔女とトナカイ




「…お前は、島の外から来たのか?」

「ええ。」

チョッパーはキノコを奪うのを諦めたのか、少し距離を取りながらも、もう飛びかかってくる様子はない。

「だから、おれのこと…怖がらないのか?」

「え…?」

まじまじとチョッパーを見るけど、どこを怖がったらいいのかサッパリわからない。

(むしろ、可愛いと思うけど…。)

はて、と首を傾げてしまう。


「バカだな、お前! 普通、しゃべるトナカイなんて気味悪いだろ!?」

「え、しゃべる動物なんて割といるでしょう?」

「いねぇよ!!」

可愛い蹄でビシッと突っ込まれてしまったが、モモの親友はしゃべるクマなのだ。

困ってしまって、苦笑するしかない。


「それに…ほら! おれの鼻、青いだろ!?」

「……青いね。」

だからどうしたんだろう。

「普通のトナカイは、鼻が赤いんだぞ!」

モモにはチョッパーの言うことがイマイチわからなかった。
まるで“普通”じゃないといけないみたい。

「赤い鼻になりたいの?」

「そ、そういうわけじゃねぇけど…。」

ついにチョッパーはもごもごと口ごもってしまう。

「ねえ、わたしの瞳を見てよ。」

「え…?」

モモはしゃがんでチョッパーと目線の高さを合わせた。

そうすることで、チョッパーはモモの不思議な色合いの瞳を確認することができた。

「変な色でしょう。」

「うん…。」

緑色なのに、光の具合によっては金色に見える。

確かにこんな色合いの瞳を持った人間は見たことがない。

「カナブンみたいな色だな。」

「カ…カナブン…?」

言われてみれば、カナブンも似たような色をしているけど…。

初めていわれた、そんなこと…!


「ふふふ…ッ、いいわね、カナブン色!」

「おれ、おかしなこと言ったか?」

「いいえ。でも、わたしはこのカナブン色の瞳がとても好きなのよ。」

他の色が良かったとは思わない。



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