• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第26章 魔女とトナカイ




「わッ、びっくりした…。どうしたの、急に立ち上がったりして。」

モモはクルリとベポに向き直ると、ローにだってしないような甘えた顔で見上げた。

「ねえ、ベポ? わたしのお願い、きいてくれる?」

「え…え…。」

なんだろ、すごい嫌な予感がする…。

「な、なに?」


「わたし、森に入りたいなぁ。」


そう、買いつけられなければ、採取すればいいだけのこと!

「え…ッ! だ、ダメだよぅ。ほら、キャプテンにも動き回っちゃダメって言われてるし。」

「ううん、違うわ。“ひとりで”動き回っちゃダメって言われてるの。」

つまり、ベポと一緒なら約束を破ったことにはならない。


「いや…、でも…ほら、危ないし。森は雪でいっぱいだよ?」

「あら、雪のエキスパートさんがいるから安心でしょう?」

なんたって、あなたは白クマなのだから。

「ねえ、ベポ…。お願い…。」

モモは自分の中で1番…たぶん可愛いであろう顔を作った。

何度も言うが、ローにはこんな顔、頼まれたって絶対できない。

でも不思議とベポにはできてしまう。

それが恋人と親友の境界線というやつなのか。


「う…うぅ…。」

一方、ベポは冷や汗をダラダラ垂らしながら困った。

モモのお願いはききたい。
けど、危ないこととなれば話は別。

どうにか諦めさせられないものか。

(あ、そうだ…。)

自分はモモの弱点を知っているじゃないか。


/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp