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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第26章 魔女とトナカイ




それからモモはベポとヒスイと3人で手分けして荷物の整理をした。

力持ちのベポと小回りのきくヒスイ。
そして整理整頓が得意なモモは意外とチームワークが良かった。

この島へ到着したのが朝早くだったこともあり、昼過ぎには荷物はすっかり片付いてしまった。


「どうしよう、やることがなくなってしまったわ。」

昼食のサンドイッチを片手に、モモは困ったと呟いた。

「天気も良いし、ここでお昼寝でもするー?」

パン嫌いな船長が不在のため、久々のサンドイッチだ。
ベポはご機嫌で提案した。

「ベポ、いくらなんでも…わたしは凍死すると思うわ。」

きゅきゅ…。とヒスイも同意する。


「ハァ…。」

モモは自分が育てたスイートバジル入りのサンドイッチをかじり、ため息を吐いた。

こうして時間が空いて、なおかつ自分の育てた植物に触れていると、どうしても考えてしまう。

(薬の材料を仕入れられなかったわ…。)

今回の上陸で、買いつけたかったものはたくさんあった。

例えば、風邪薬だってそう。

それがこんなことになるなんて。

自分の体調不良は…まあ、いいとして。
次に風邪を引くのはベポかもしれない。
シャチやペンギンかも。

…ローかもしれない。

そんなとき、薬剤師でありながら薬を処方できない。

いざとなったら歌を唄えばいいけど、それに頼りすぎるのは違う気がした。


『薬剤師ならその場にいなくてもいいの。だって、お薬が代わりに治してくれるんだもの。』


不意に母の言葉が脳裏をよぎる。

そう、いつも自分がいるとは限らないのだ。

だけど薬さえあれば、誰にだって治療は可能。


(よし…!)

モモは決心して、勢いよく立ち上がった。



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