第24章 幸せを呼ぶ潜水艦

｢おう、お前らか！ どうした、こんなとこに突っ立って。｣

モモたちを見かけたパウリーが声を掛けてくる。

｢船は見たかよ？ バッチリ修理しといたから、もういつでも海に出られるぜ。｣

｢ほんと？ ありがとうございます、パウリーさん。｣

｢仕事なんだから礼なんかいらねぇよ。それより金、金。俺、今月の借金ヤバイんだ。きっちり支払い済ませておいてくれよな。｣

そんな身も蓋もない言い方…。

だけど、そんなサッパリとした性格の彼が、モモは割と好きだった。



｢わぁ、すごい！ 船がキレイになってるわ。｣

愛しい海賊船との再会に、モモは歓喜の声を上げる。

｢おお、マストもすっかり元通りたな。さすがプロ…。｣

焼け焦げ、ひどく損傷したマストは以前の面影をチラリとも見せず、天高く聳えている。

荒ぶる海を冒険し、傷ついた装甲もすっかり磨かれていた。

作業場で散々見学はしたものの、いざ修理された自分たちの船を目の前にすると、職人たちの腕がどれほどすごいのか改めてわかる。


｢へェ…、政府御用達の名は伊達じゃなかったようだな。｣

ローもその仕上がりには納得するしかないようだ。

｢ンマー!! 当然だな。俺たちはこの仕事に命をかけている。｣

客のこんな反応には慣れきっているのだろう、アイスバーグは当たり前のように頷いた。

｢さて、今日のうちに出航するか？ それなら船を港まで移動させるが。｣

｢ああ、そうしてくれ。｣

すでにログも溜まっている。
そうなれば島に留まる理由はない。

｢わかった。…カリファ。｣

｢はい、アイスバーグさん。すぐに船着き場へ移動させる手はずをとります。｣

美人秘書はキビキビと動き、近くの職人たちに指示をした。