第24章 幸せを呼ぶ潜水艦
翌日、モモとローは数日間別行動をとっていた仲間たちと再会した。
「あ、キャプテン、モモ~!」
自分を呼ぶ親友の姿にモモは表情を輝かせ、飛びつくように抱きついた。
「ベポ…!」
渾身の体当たりをベポは難なく受け止める。
「アイアイ。どうしたの? たった数日離れてただけなのに、熱烈な歓迎ぶりだね。」
「ふふ…。」
ベポは知らない。
モモにとっては今生の別れになる瀬戸際だったことを。
でも、そんなこと知らなくていい。
今さら知っても心配させるだけ。
ローにも今回のことは、みんなには言わないで欲しいとお願いをした。
「なんだよ、モモ。お前が会いたかったのはベポだけか?」
「俺らのことは、まったく眼中にないッスね。」
2人だけで感動の再会を果たしたことに、シャチとペンギンが唇を尖らせる。
「やだな、2人にも会いたかったに決まってるじゃない!」
そう言ってモモは珍しく、2人にも抱擁をした。
こういう過度なスキンシップは滅多にない。
自分たちから言っといて、2人は大いに驚いた。
「わわ、モモ、どうしたんだよ…。」
「そ、そんなに寂しかったのか?」
あわあわと慌てる2人が愛おしい。
「うん、寂しかった…。」
やっぱりわたしは、島で自由に行動するより、あの広い海で愛する船に乗っていたい。
「…帰りたい。」
いつでも みんながいる、海賊船に。
「うん、そうだね。じゃあ、迎えに行こうか。」
「…うん!」
差し出された肉球をしっかりと握る。
そう、今日はわたしたちの船の修理が完了する日。
広い海へと出発する日。