第23章 仮面の暗躍
「ぎゃあ…!」
「ぐはァ!」
大太刀 鬼哭で海兵たちを斬り倒し、ローは船の内部に侵入した。
(最奥の部屋…、あそこか!)
「トラファルガー! 覚悟…!」
扉の番をしていた大男が刀を振り回しながら襲い来る。
「……邪魔だ。」
ズバン!
相手にしている時間も惜しい。
容赦なく縦真っ二つに斬り裂いた。
砲撃の揺れで開いた扉の中に飛び込む。
目に入ってきたのは、横たわるモモに手を伸ばし、今にも連れ出そうとしている海兵たちの姿。
「オイ…、死ぬ覚悟はできてんだろうな。」
突然乱入した第三者の声に、海兵たちは驚き振り返る。
「な…ッ、トラファルガー・ロー!」
モモの番を命じられただけあって、多少は腕が立つようだ。
繰り出された斬撃をなんとか受け止める。
ギィン…。
刀同士が交わる金属音が響いた。
「クソ…! 全員でかかれ!」
部屋にいた全員が戦闘態勢をとる。
ふと、じっと動かずにいるモモの様子が気になり、視線を向けた。
「---!!」
彼女の姿に、息が止まりそうになる。
衣服が乱され、上半身が剥き出しになっている。
片足には脱がされたのであろう、ショーツが引っかかったままだ。
ナニをしていたのかは、一目瞭然。
殺してやる…。
身体の内から、マグマのように熱いなにかが、ふつふつと湧き上がる。
殺してやる…ッ。
目の前が真っ赤に染まった。
湧き上がる怒りを覇気に変えて、全身に纏わせる。
能力は使わない。
分解するのでは痛みを感じないから。
ズバン…!
一瞬のうちに、全員を斬り裂いた。
「うぎゃああァあ!」
血が噴き出し、のたうち回る。
けれど、致命傷は与えていない。
「てめェら…、楽に死ねると思うな…。」
死んだ方がマシと思えるような地獄を見せてから、殺してやる。