第23章 仮面の暗躍
「敵襲だと!? 確か、ハートの海賊団の船は、修理中で使えないはずだろ?」
「どうやって追いかけて来たんだ!」
そんなことまで調査されているなんて、自分たちはいつから目を付けられていたのか。
(でも…、彼らの言うとおり。わたしたちの船はまだ動けないわ。)
では、どうやって…?
「敵襲ー! ホーキンス海賊団だ!!」
ホーキンス海賊団…?
(ホーキンスって、あのホーキンスさん?)
一度はモモをCP9から救い、ローのもとへ案内してくれた占い師。
「ホーキンス海賊団だと!? どうして“魔術師 バジル・ホーキンス”が出てくるんだ!」
「知るか! …ともかく、セイレーンを渡すわけにゃ行かねえぞ!」
「わかってる! コイツはCP9から直々に託されたんだ、ヘマでもすれば俺たちの命が無い。」
こんなときにですら、我が身を案じる海兵たち。
「コイツを連れて脱出しよう…!」
そうしよう。と全員が賛同し、モモの腕を掴もうとしたとき、ビリリとした殺気が部屋中に広まった。
「オイ…、死ぬ覚悟はできてんだろうな…?」
その声を聞いたとき、絶対に零すまいと我慢していた涙が、ついに落ちた。
(ロー…ッ)