• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第22章 可愛いひと




「……今、何時だ?」

「もう、8時よ。起きて。」

なんだ、まだ寝れたじゃないか。
このままモモの膝で二度寝してしまいたい。

けれど、さっきまですぐ傍にいた睡魔はいっこうに訪れなくて…。

きっとモモの歌のせいに違いない。

「オイ、さっきの歌はなんの歌だ。」

「んー? そうね、起きて欲しくて唄ったから、“目覚めの歌”とでもしとこうか。」

やっぱりか…。


「チッ…、余計なマネを。」

「なに言ってるの…。朝にはチェックアウトだって言ってたのはローじゃない。」

ほら、起きて。と軽く耳を引っ張った。

「…そんなもん、延長すりゃいいじゃねェか。」

そうすれば、もっとこの幸せな時間を堪能できる。

「またそんなこと言って…。せっかく島にいるのに、時間がもったいないでしょう?」

昨日は散策どころではなかったから、今日こそは街を回りたい。


「ったく、仕方ねェな…。」

ようやく身体を起こし、伸びをする。

その鍛え上げられた獣のように美しい肢体に一瞬目を奪われた。

「……? なんだよ。」

「うん。綺麗だなぁって思って。」

「……あ?」

なにを言っている。
モモの方こそ、自分の身体を鏡で見たことがあるのか。

白磁のように白く滑らかな肌。
華奢なわりにしっかりと膨らみがあり、女性らしい身体つきをしている。

眺めているだけで、欲情しそうだ。


そんなローの視線に気がついたのか、モモは慌てて服を身につけ始める。

「…オイ。なんだ、…その格好は。」

「なにって…。昨日の服だけど。」

そんなのは見ればわかる。

「そんなこと言ってんじゃねェよ。その格好で外へ出来る気かって聞いてんだ。」

モモのブラウスは、昨日ローが無理やり脱がせたせいでボタンがいくつも飛び、あられもない様子になっている。


/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp