第22章 可愛いひと
「む…、むぅ…!」
言葉を発せなくなった口で懸命に「離してくれ」と訴えるけど、ローがそれを聞いてくれる様子はない。
「…苦しいか?」
正直、苦しくはない。
だけどそう言えば自由にしてくれるかと思ってコクコクと頷いた。
「そうか…。でも、悪いな。そういう表情にも、燃える…!」
ビッと音を立ててブラウスの前が力任せに開かれる。
いくつかのボタンが、その勢いで弾け飛んだ。
「……!」
ローの行為に顔が強張った。
このままじゃいけないと、身体をみの虫のように蠢かせてベッドを這い上がろうとするけど、身体の上に跨がられてしまい無駄な抵抗となる。
「安心しろ、ちゃんと気持ちよくさせてやるから。」
もう一生、自分から離れられなくなるくらいに…。
はだけた胸元に手を伸ばし、下着のフロントホックを外せば、プルンと柔らかな膨らみが顔を出す。
綺麗なピンク色をした先端に、わざとモモが見えるように舌を這わせた。
ぴちゃり…。
「……ッ!」
目の前でローの長い舌が、自分の胸の頂を美味しそうに舐めしゃぶる。
あえて音を出すように吸い付き、もう片方の胸は形が変わるくらい強く揉みしだいた。
「…んッ、…ぐぅッ」
漏れる喘ぎ声は、ハンカチに吸い取られてくぐもった呻きにしかならない。
「どうした、気持ち良いのか? あんなに嫌がってたくせにな…。」
だから、違うの…!
強く目で訴えようとするけど、先端にカリッと歯を立てられ、ビクリと仰け反ってしまう。
「ふ…んぅッ」
「いい反応だ。すっかりお前も、淫乱な身体になったよな。」
ヒドい暴言に、涙を溜めた金緑の瞳が傷つくように揺れた。
「勘違いすんな、褒めてんだよ。」
先端を指でグリグリと弄びながら、モモの耳朶を甘く食んだ。
「ふ…ぅ…ッ」
ねっとりとした舌の感触にゾワゾワと鳥肌が立つ。