第20章 造船所
「わぁ、この子たちがブル? 可愛い~。」
ニーニーッと愛嬌たっぷりに笑うヤガラブルは、魚類と思えないほど愛らしい。
「きゅぅッ」
自分の方が可愛いだろ、とヒスイがしきりにモモの髪を引っぱった。
「ああ、ごめんね。ヒスイの方が可愛いわ。」
「きゅきゅ!」
当然だ、と胸を反らすヒスイ。
モモのまわりにはヤキモチ焼きでいっぱいだ。
「あはは。おもしろいペットを連れてるなぁ、お嬢ちゃん。うーんと、アンタたち荷物が多いみたいだから、2人乗りのヤガラブルが4匹でちょうどいいだろ。」
そう言いながら店主は4匹のブルに小舟を取り付けた。
「4匹で4000ベリーだ。」
「安いッスね。…ほい。」
「毎度。じゃ、いってらっしゃーい。」
代金を支払い、ブルの手綱を受け取った。
「わ、意外と乗り心地いい…。」
背中の小舟に恐る恐る乗ってみたら、思っていたよりずっと安定していた。
「ああ、悪くねェな。」
「ボク、これ欲しい!」
キャッキャッとベポが目を輝かせた。
「イヤ、クマが魚飼ってどうすんだよ。」
「…クマでスミマセン。」
ズーンとうなだれる。
相変わらず落ち込みやすいクマである。
「バカやってねェで、さっさと換金して来い。俺とモモは先にガレーラカンパニーに行く。」
「「アイアイサー!」」
そうしてベポ、シャチ、ペンギンの3人は換金のために街の中心街へ。
モモとローはガレーラカンパニーにのある造船所に向かった。