第19章 水の都へ
ローが発する空気が柔らかくなった。
どうやらご機嫌は治ったみたい。
そのことに心の中でホッと息を吐いた。
けれどそれも、ほんの僅かな間だけ。
すぐに別の問題で頭を悩ませることとなる。
「さて…、モモ、約束を果たしてもらおうか。」
「約束…?」
なんのことだろう、と本気でキョトンとしてしまう。
「忘れたとは言わせねェ。火拳屋の仲間を助けたら、“なんでも言うことをきく”だろ。」
「あ…。」
…すっかり忘れてた。
あの時、エースの仲間にオペをしてもらうために、確かにそんな取引をした。
「な、なにをさせる気…?」
「さァ、なんだろうな…。」
彼の凶悪な笑みに、嫌な予感がする。
「…って、なんで服を脱がすの!」
当たり前のようにワンピースの裾をたくし上げるローの手を止めた。
「なぜって、ヤルからに決まってんだろうが。」
そう言って、問答無用で するんと服を脱がしてしまう。
「きゃ…ッ、ちょっと待って。」
こういうとき、モモが言う「ちょっと待って」は、大概本気でないことがわかっているので、まるっと無視することに決めている。
胸を覆う下着を剥ぎ取れば、ふるりと柔らかな乳房が零れ落ちる。
美味しそうにピンクく熟れた頂に、すかさず舌を這わす。
「ふ…ぁ、あ…んッ」
モモは自分の胸が小さいと気にしているようだが、実際のところ、そんなことはない。
ふっくらとした乳房は、しっかり揉みごたえがあるし、吸いつくような手触りはやみつきになりそうなくらい心地良い。
そこらの下品な女どもと比べないで欲しい。
ピンと起った乳首を舌先で転がし、もう片方は指で弄ぶ。
「ぁ…、ん…。」
身体を小さく震わせ、喘ぎ声を漏らす姿に、どんどん己の欲望が屹立していく。
ついに最後の一枚だったショーツに手を伸ばし、脱がせてしまう。
脱がせたショーツは、すでに湿っていて、ツゥ…っと透明な糸が引いていた。