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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第19章 水の都へ




「……ん。」

部屋に入るやいなや、ローはモモの身体を抱きしめ、激しく呼吸ごと唇を奪った。

それは先ほどのキスとは違い、侵略するような強引なキス。

顎を掴み口を開かせると、すぐさま舌を割り入れ口腔を弄った。

上顎を舐め上げ、舌を吸い、唾液を貪る。

「ふ…、んん…ぅ。」

何度も何度も角度を変えながら口づけるうちに、モモの息はすっかり上がってしまう。

しかし、今日のローはいつになくキスに執着をみせた。

「…ん、もう…苦し…よ。」

「まだだ…。」

すでに根を上げるモモを許さず、彼女の唇をチュッと音を立てて甘く食んだ。

「…ロー、どう…したの?」

自分だって彼とのキスは好きだが、それにしたって今日は長すぎる。

正直、身体が疼いてしょうがない。

「まだ、消毒が終わってねェんだよ…。」

「ん…ぅ、消毒…?」

再びローはモモの唇を深く塞いでしまう。

ぬるつく長い舌が口内を蠢き、ぞわぞわと甘い痺れが湧き上がる。


(もしかして…。)

ローはあの時のことを気にしているのだろうか。

毒に侵されかけたエースに、モモは口移しでヒスイの蜜を飲ませた。

「ふ…ぅ、ロー、あの時は…不可抗力だったの…。」

仕方がなかったのだ。
とっさに その方法しか思い浮かばなくて、手っ取り早かった。

それにやましい気持ちなんて一切ない。

しかしローは、そういう問題じゃねェ、と低く唸った。

「お前の唇にアイツの感触が残ってると思うと、許せねェ。」

「感触って…、そんなもの感じている場合じゃなかったし、もうとっくにローのことしか……んむッ」

そんなことわかってる。
モモが救命以外、なにも考えずにエースに口づけたことくらい。

それでも、思い出すと腑が煮えくり返るような気持ちになるのだ。

怒りをぶつけるように、何度もキスを繰り返し、彼女の舌を吸い上げた。


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