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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第14章 食虫植物




すっかり落ち込んでしまったモモを慰めて、なんとか寝かしつけた。

だけど、さっきから悲しそうなモモの顔が頭から離れない。

もし本当にネズミの仕業なら、今ならその腹から消化前の種が出てくるかもしれない。

そう思って、手を広げた。


“ROOM”

船全体を囲むようにサークルを張った。


“スキャン”

目的物であるネズミを探し出そうと、サークル内を調べ上げた。


「……?」

おかしい。
自分の能力で、見つけられないものはないはずだ。


だとしたら、この船にはネズミなんて一匹もいない。

では、消えたカップケーキ、魚、チーズ、食虫植物はいったいどこへ…?




「モモ、ネズミ捕りが完成したッスよ!」

翌日、ペンギンがお手製のネズミ捕りを持って、船長室を訪れた。

「ありがとう、ペンギン。じゃあ、早速設置しようか。」

モモは昨夜の一件で、心の中ではまだ落ち込んでいたけど、表面上は明るく振る舞っていた。

「……。」

ペンギンと2人、部屋を出て行ったモモの後ろ姿を、ローは静かに眺める。

モモが眠った後に行ったネズミ探しのことを、結局言わなかった。

言えば、食虫植物の芽が消えてしまった原因が、またわからなくなるから。

(ネズミのせいにできれば、まだ諦めもつきやすいだろ…。)

ローの方でも引き続き原因を探るつもりだが、解明するまではなにも言わない方がいい。

些細なことであっても、モモに悲しい顔をして欲しくないのだ。


「さて…。」

ネズミ捕りを仕掛けるだけだが、ドジな彼女は、またなにかしでかしそうな気がする。

ケガでもしないように、傍で見ていなければ。

そこが過保護なんだとクルーたちに言われそうだが、ロー本人はいたって無自覚である。

立ち上がり、モモの後を追いかけた。



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