第13章 証
「ん…、ん~…。」
翌朝、窓から差し込む日差しでモモは目を覚ました。
昨日はあの後、目的としていた土をたっぷり持ち帰り、そのまま倒れるように眠ってしまった。
「い、いたた…。」
身体をギシギシと痛みが駆けめぐる。
筋肉痛だ…。
山登りに、洞窟探検。
慣れないことをした代償は、しっかり襲ってくるものだ。
(といっても、ローにほとんど運んでもらっちゃったんだけど。)
本当に疲れたのはローの方に違いない。
「って、あれ…?」
ベッドにローの姿がないことに、今さらながら気がついた。
時計の針を見れば、もうすぐ正午だ。
ずいぶんと寝過ごしてしまった。
悲鳴をあげる身体に鞭を打ち、なんとか立ち上がって、部屋を出た。
「あ、モモ! おはよー。」
「う…、おはよう…。」
キッチンには、ベポとペンギンがいたが、やはりここにもローの姿はない。
「なんか辛そうだね、どうしたの?」
「ちょっと…、筋肉痛で。」
特に下半身がひどい。
モモはヨロヨロと椅子に座った。
「筋肉痛って…。モモはもうちょっと身体鍛えたほうがいいッスよ。」
「うん、わたしも本気でそう思うわ。」
戦力になるとまではいかなくても、せめて足手まといにはなりたくないと昨日痛感したばかりだ。
「そうそう、キャプテンが、今日はゆっくりしてろって言ってたよ。」
「ローはどこか行ったの?」
「うん、今朝早くに街へ出かけたよ。」
なんだ、起こしてくれればいいのに…。
モモのことを気遣ってのことだろうが、なんか置いていかれた感じがする。
「それよりモモ、腹減ったッス。なんか作って~。」
そういえばもうお昼だった。
モモも今日はまだなにも食べてない。
くぅ…、とお腹の音が鳴る。
「よし、ひさびさに今日はゆっくり船で過ごそうかな。」
思ってみれば、船でやりたいことはたくさんあったのだ。
まずはこの空腹をどうにかしなくては。
ギシギシの筋肉痛に耐え、モモは自分と2人のために、どうにかフライパンを持ち上げた。