第13章 証
洞窟の外へ出ると、太陽の光が目に刺さる。
「ん、眩し…。」
洞窟内は楽しかったけど、こうやって外へ出てみると、やっぱり安心する。
ローが手に入れた鉱石は、すっかり輝きが収まり、ポケットの中で眠っている。
「ねえ、それ、なんだったの?」
ローがあれほど必死に探したもの。
どんな理由があって、なにに使うものなのだろう。
「ああ、これは……秘密だ。」
「ええ!?」
教えてくれないの…!?
「ず、ずるいわ、わたしだって苦手なものを教えたじゃない。」
本当は誰にも知られたくない秘密だったのに。
それを聞いて、ローはそうだな、と頷いた。
「確かにフェアじゃない。だからお前も俺から聞き出してみろよ。」
ベッドでな…。
最後に耳元で囁かれ、モモは再び顔を噴火させる。
「いい…ッ、遠慮しておく!」
過剰に反応するモモを楽しそうに見ては、クスクスと笑う。
「そりゃ、残念だな。まあ、そのうち教えてやるよ。」
上機嫌に言うと、ローは行きと同じようにモモを抱き上げた。
「さてと、後は土だったな。帰り道に良い腐葉土がとれる場所があるらしい。寄って行くか。」
今回の冒険には、ローには鉱石という目的があったようだけど、それでもモモの希望をしっかりと覚えていてくれる。
それを思うと、自然と笑みが零れた。
「確か、このあたりのはずだ。」
事前の調査によると、今いる場所周辺から質の良い土がとれるとのことだった。
「うん、確かに。この周辺の木々たちは、みんな生き生きしてるわ。」
瑞々しい草木、枝ぶりは良く、とてもハリがある。
植物の良し悪しは、土と水が決め手と言っても過言ではない。
これだけ元気な植物があるところなら、土もさぞかし良いはずだ。
「ちょっと木の根が這ってないところを探してくるわ。」
スコップと麻袋片手に駆け出した。
「オイ、待て。そんなに走ったら、転ぶ…--」
「きゃ…ッ」
言った手前から、木の根っこに躓き、ドシャリと転んだ。
「お前はほんっとに、期待を裏切らねェな。」
ほとんど呆れ顔で、ローが助け起こしてくれた。