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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第52章 ハート




1番新入りであるジャンバールが、ハートの海賊団で学んだこと。
それは、頑固すぎる仲間たちとうまく付き合うには、自分が折れるしかないということ。

「……わかった。俺がモモのところへ行こう。」

本音を言えば、ジャンバールもローのところへ向かい、勇敢に戦いたい。

だが、今回はその役目を三人に譲るしかないだろう。

「アイアイ、それでこそ おれの子分! えらいぞ、ジャンバール!!」

「そうと決まれば、早く動こう。海軍基地の場所は覚えているな!?」

「アイアイ! 島の見取り図はしっかり頭に入ってるよ!」

ローを助け出し、みんなで船に戻ってくれば、なにも問題ない。
それがいかに難しいことか、わからないわけでもないけれど。

「俺は船まで先に戻る。無事で帰ってこいよ。」

「当ッたり前だ! ほら、早く行けよ。モモを危ない目に遭わすんじゃねぇぞ!」

急かされるようにして、ジャンバールは戦線を離脱した。


「さ、俺たちも行こうぜ。」

「えっと、ここから基地への方向は……。」

ログポースを頼りにして方向を探っていると、急にペンギンがハッと背後を振り向いた。

「どうしたの、ペンギン。」

「しッ、静かに……。」

ぴりりと緊張した表情。
ベポとシャチも何事かと黙り込む。

「なにか、近づいてくるッス。」

そう言うなり、ペンギンは腰に差した剣に手を伸ばした。
近づいてくるものが、敵である可能性が高いという合図。

慌てて二人もそれに倣い、戦闘態勢をとった。

ほどなくして、静かな足音がこちらに近づいてきた。

「……誰だ?」

問い掛けながらも、敵であることはわかっている。
この島は海軍管轄の島。

大半の人間が敵。
願わくば、自分たちの手に負える海兵であれば。

だが、そんな甘い願いが叶うはずもなく、ペンギンの額に汗が滲む。

現れたのは、ひとりの男。
顔も知らない男だが、剣を交えずとも格上の相手だと理解した。



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