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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第50章 自由のために




しばらくして、騒がしい足音が止み、部屋の前が静かになった。
頃合いを見計らい、ローはそっとドアを開けて通路に出た。

「アイツら、無事だろうな。」

想定していたよりも、爆発音が大きかった。

爆発自体、大きなものになった証拠だが、まさか巻き込まれてやいないだろうか。

「……。」

ひとしきり心配してみたところで、ふと我に返る。

待て待て、いったいどこまで心配しているのだ。
モモはともかく、他の仲間たちはそこまでドジではない。

それなのに、余計な心配をしてしまうのは、どう考えても彼女に対する心配性が拗れた結果だ。

「……チッ」

なんだか照れくさくなり、大太刀を抱え直し、モモのビブルカードのために副官を追った。


ローは一時期、ドフラミンゴを倒すため、王下七武海に籍を置いていたことがある。

在任中は、海軍基地や要塞に顔を出す機会もあり、建物内の特徴や彼らの規律をある程度理解していた。

基地に来客……今で言えば、サカズキの副官が現れた場合、客である本部の人間は、よほど大事でない限り、基地のために動いたりはしない。

くだらない上下関係。

備蓄倉庫の爆破は十分大事ではあるが、本部の人間からしてみれば、ほんの些末な出来事。

そんなことでは、重い腰を上げはしない。

そして、彼らがいる可能性が高いのは、どの基地にも必ずある、来賓室か、応接室である。

守りを固くするためか、そういった類の部屋は、総じて建物の奥にあるものだ。

身を潜めながら、基地の奥へ奥へと進んでいく。

進行方向から、複数の足音が近づいてくる。
隠れるのなら、後退するしかない。

しかし、手練れの兵が減った今なら、正面突破しても問題はなさそうに思えてきた。

どのみち戦闘が始まれば、多くの兵が集まってくる。

ならば、倒して進んだとて結果は変わらない。

(たまには、麦わら屋を見習ってみるか。)



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