第50章 自由のために
ローが望むのなら、時間が許す限りいつまでも寄り添っていたい。
だけど……。
(この体勢は…、ちょっと……。)
モモの上に覆い被さり、身体を預けるロー。
そのまま乗られたら、軟弱なモモでは受け止められないが、絶妙な力加減のおかげで彼の重みを感じたりはしない。
モモが内心焦っているのは、ローが覆い被さっていることではなく、自分たちの身体が未だに繋がっていること。
先ほど散々吐精したにもかかわらず、ローの雄は少しも硬さを失わず、今もがちがちに張りつめたまま。
どくどくと脈打ち、その脈動が蜜壁に直に伝わる。
こんな状況、意識するなという方が難しい。
気になってしまうと、微かな振動ですら火種となって、モモの身をちりちり焦がす。
必死に堪えようとしても、内側が反応して蠢きはじめる。
その変化に、ローが気づかぬはずもない。
耳朶に唇を這わしたまま、ゆさりと腰が動く。
「ん……ッ」
偶然かと思えるような、自然な動き。
あからさまに反応してしまうことが恥ずかしくて、懸命に声を殺した。
しかし、そんなモモを嘲笑うかのように、ローの腰はゆさゆさと振動を続ける。
これはさすがにわざとでは…と疑いはじめた頃、耳朶に触れていた唇が開き、濡れた舌がぬちゃりと耳を舐め上げた。
「ひッ、……あぁッ!」
声を上げた瞬間、ずしんと重く突かれて、大きな嬌声が漏れ出す。
「や…ッ、なに…するの……ッ」
すっかり参ってしまい、きつく詰る。
もぞりと動き、ようやくローは顔を上げた。
しかし彼の表情を見て、すぐに後悔する。
「お前が煽るから…、抱きたくなった。」
目の前には、情欲に燃えた獣。
少し前まで子供のようだと思っていたのに、この変わりようはなんだろう。
底の見えない体力に恐ろしくなって震えると、発情した獣はゆっくりと、しかし確実に腰を動かしはじめる。
「あ…ッ、や…めぇ……ッ」
ずちゅり、ぐちゅりと音を立て、行き場をなくした白濁が身体の中で捏ねくり回された。