第49章 休息
疑われていることを感じとったライラは、不快そうに眉間にシワを寄せた。
「なによ、その目。信じてないんでしょ。」
「……イヤ。革命軍の連中が、ギャンブルなんぞやっているヒマがあるのかと、驚いているだけだ。」
それは誰がどう聞いても、疑っている発言だ。
「たまには息抜きしたっていいでしょ。」
「任務で来たわけじゃねェということだな。」
ローの目つきが鋭い。
ライラがローにとって…モモにとって害のある者なのか、見極めているのだ。
「あんた、しつこい男ね! 革命軍だって言ってるじゃない。おかげで、いろんな情報知ってるんだから。麦わらの一味の居場所とか、海軍元帥の船の位置とか。」
苛立ってぽろぽろと機密を口にするライラは、どうやら気が短いタイプらしい。
しかし、その機密はモモたちにとって、ひどく重要なものだった。
「麦わらの居場所と、赤犬の船の位置…だと? それは本当か?」
「本当よ。どお? 少しは信じた?」
鼻を明かせてご満悦なライラに、ローは信じるとも信じないとも告げないまま、ずいと身を乗り出す。
「教えろ。」
それはどちらも、知りたかった情報だ。
しかし、情報源であるライラは、ローに向かってベーッと舌を出す。
「バッカじゃないの、教えるわけないじゃない。機密よ、機密。」
その機密を口にしたのは、どこの誰だったか。
けれど、そんなツッコミを入れることなく、ローは先ほどまでシャチが座っていた椅子に腰掛け、交渉に入る。
「いくらならいい?」
「だから…、教えないわよ。機密だって言ってるでしょ。教えたら、あたしが怒られるじゃない。」
つんと顎を逸らすライラの前に、ドサリと札束の山ができた。
「船に戻れば、さらにこの倍額出せる。……どうだ?」
だからその札束、どこから出てくるんだ。
大金を前にして、モモはシャチと2人、青くなって震えた。
うちの船長、お金遣いが荒い!