第12章 デート
「じゃあ、またね。」
「うん、またね。」
さよならは言わない。
だって、また会えるから。
メルディアを乗せた船が、岸から離れていく。
途端に、寂しさが溢れた。
(メル…、わたしのこと、友達って言ってくれてありがとう。)
あなたの夢を叶える旅が、どうか幸せでありますように。
『今日、君と流した涙。ずっと覚えているよ。時が流れ、進む道がお互い変わってきても。』
大切な友の旅立ちを祈り、唄う。
『無我夢中で走ったあの日は、何気ない日々だけど。どんな時も、輝いていた。未来では忘れてしまうだろうか。』
『青春は過ぎ去るもの。でも、そんな言葉は嘘だろう。きっとわたしたち、今のわたしたちを超えて辿り着く最高の関係。』
過ごした時は短くても、最高の友達だって、信じてる。
『時が経っても変わらない。支え合える友達と笑えるように、例えどんなに選ぶ道が違っていても、君らしく笑っていてね。』
『悲しみも喜びも悔しさも、全部なんでも話を聞くよ。胸張って明日を生きる証、迷う道を導ける光になろう。』
いつか迷うときが来ても、自分たちの出逢いが、道しるべになればいい。
『当たり前の日々なんかない。あなたがわたしに教えてくれたこと。例えどんなに遠く離れても、見ていてね、わたしらしく笑っていくから。』
『悲しみも喜びも悔しさも、全部なんでも話を聞いて。』
『胸張って未来を生きる証、いつまでも、そんな出逢いをありがとう。』
またね、メル。
あなたに唄う、友達の歌。
メルディアの船が見えなくなるまで、モモはローと2人、手をつないで見送った。