第49章 休息
宣言したとおり、ローはいっさいの手加減をしなかった。
欲情の象徴である楔で容赦なく最奥を突き、蜜壁を抉る。
時折、入口のあたりまで引き抜いて、緩く腰を回したあと、再び奥へと貫いた。
ずぷぬぷと注挿を繰り返し、腰を打ちつけられるたび、モモは悲鳴のような嬌声を上げた。
「あぁッ、ん…うぅ…ッ」
モモの身体は、いったいどうなってしまったのだろう。
挿入を焦らされすぎたせいか、身体のいたるところが敏感に反応する。
律動の合間に落とされる口づけや、胸への愛撫。
腰を掴む手のひらにすら、感じてしまう。
それを証明するように、接合部からは絶えず蜜が溢れ、高級なソファーをぐしょぐしょに濡らした。
(……熱い。)
己の身体も熱いが、なにより、胎内に感じる彼が熱い。
蜜道を貫くたびに、壁が擦れて得も知れぬ快感を味わい、中で暴れるローを締めつけた。
「……くッ」
辛そうに眉を寄せるローの表情は、男性とは思えぬほど色っぽい。
その表情をさせているのが自分だということに、モモは言葉にできないほどの喜びを感じる。
ロー…。
わたしだけの、ロー。
誰にも渡さない。
渡したくない。
どうして今まで、離れていられたのだろう。
愛されなくてもいいだなんて、どうして思っていられたのだろう。
一度は手離した。
隣にいるのが自分じゃなくてもいいと、ローが幸せならばそれでいいと、本気で思った。
けれど、もう無理だ。
再び手に入れてしまえば、二度と離すことはできない。
傍にいて、熱を感じて、心を交わしてしまえば、抑え込んでいた欲望も弾け飛ぶ。
「ロー…、あなたが…好き……ッ。世界で…いちばん……!」
心のままに叫べば、ローの動きが一瞬止まり、次の瞬間、胎内で締めつけていた熱い塊が膨張する。
「あ……ッ」
中を押し広げられるような感覚に、モモは唇を震わせて戦慄いた。