第49章 休息

もう、許してほしい。

いったい何度、そう願ったことだろう。

欲しかった刺激は与えられたけど、その刺激が強すぎて、モモは幾度も意識を飛ばしかけた。

そのたび、ローがモモの名前を呼び、淫靡な世界に引きずり戻す。

いくら身体を掻き回されても、敏感な花芽を弄られても、お腹の奥底でくすぶる疼きは止まらない。

触れてほしい。
もっともっと、深くに。

指じゃ届かないくらい、ずっと奥へ。

｢ね…、ロー…。もう、お願い……ッ｣

荒ぶる吐息を整え、懸命にお願いすると、モモの様子を窺っていたローがさらに身を屈め、掠めるように口づけを落とす。

モモの鬼畜な恋人は、未だ願いを叶えてくれそうにない。

このままでは、頭の血管が切れてしまう。

ローの背から腕を外し、抱きかかえるように彼の頭にしがみついた。

ぎゅうっと引き寄せ、鼻と鼻が触れ合いそうな距離で見つめ合う。

｢ローは…、わたしが欲しくないの？ わたしはこんなに、欲しいのに…ッ｣

そう言ってローの唇を啄めば、驚いたように逞しい身体が硬直した。

大胆な発言をした自覚はある。
熱が冷めれば、今の発言を思い出して羞恥に燃えるだろう。

けれどそれ以上に、今すぐローと繋がりたい。
身体の奥で、ひとつになりたい。


はぁ…と息を吐いて唇を離すと、忌々しそうに舌打ちをされた。

｢………クソッ｣

なにがそんなに気に入らないのだろうと不思議に思っていると、いきなり片脚を抱え上げられ、ググッと押し潰される。

胸を圧迫されて息苦しさに呻いた時、下半身にぐちゅりと熱いものが押しつけられ、その正体を理解する前に、一気に身体を貫かれた。

｢ああぁッ！｣

目の前に閃光が走り、頭頂部から脚の爪先まで一直線に駆け巡る。

息が止まるほどの衝撃を逃がすために、思わず腰を引くが、荒々しい力でその腰を抱かれ、休む間もなく腰を打ちつけられた。

｢ひぁ…ッ、あ…ぐ…んんッ｣

自分で強請ったくせに、襲い来る快感の波に堪えきれず、髪を乱しながら首を振った。

｢だからお前は…、バカな女なんだ。挑発する時は、よく覚悟をしろ。｣

熱く燃えた楔を奥へねじ込みながら、少し苦しげに囁く。

手加減はできない、と。