第49章 休息
(よくもまァ、ここまで無自覚でいられるもんだ。)
声を堪えようと、懸命に我慢するモモをじっと眺めた。
鈍い女だとはわかっていたが、ここまで行動が裏目に出ると、逆に感心する。
まず、彼女は煽っていないなどと思っているようだが、それはとんだ勘違いだ。
2人きりで、それもこんなに寄り添った状態で、平気で愛の告白をしてきた。
おかしな気を起こさない方が、どうかしている。
いざ手を出してみれば、羞恥に顔を染め、可愛らしく抵抗をしてきた。
モモはわかっちゃいない。
男という生き物は、抵抗されればされるほど、燃えるものだ。
少なくとも、ローはそういう人間である。
今だって、必死に声を堪えているが、そういう抵抗をされると、よけいに鳴かせてみたくなる。
それこそ、堪え難いほどの快感を与えて。
「あ……ッ」
すっかり邪魔になった下着ごと、ブラウスを大きく広げた。
モモのお腹の方で、外し損ねたボタンがいくつか弾け飛ぶ。
構わず上体から服と下着を取り去ると、形の良い胸がふるりと揺れた。
「……ッ」
咄嗟に両腕で隠そうとするから、片手でそれを制し、お仕置き代わりに先端を口に含み、軽く歯を立てる。
「や…あ……ッ」
それほど刺激を与えているつもりはないが、いちいち反応をするモモが可愛い。
そのまま舌先でつつくと、モモは胸を隠すことを諦め、両手で口を塞ぐ。
「ぐ…ッ、…うぅ…んッ」
堪えているつもりかもしれないけど、くぐもった声が漏れ、モモの意図に反していやらしさが増している。
我慢せずに声を出した方が、恥ずかしさも減るというのに、バカな女。
けれど、そんなところが堪らなく愛しい。
ならば、限界まで我慢してみるといい。
残念だが、ローは決めているのだ。
今夜はモモが傍にいなかった時間に見合うだけ、濃密に愛し合おうと。
責任、とってやるよ。
お前が俺を選んだことを、絶対に後悔しねェようにな。