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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第47章 病魔の住処




その日の午後、モモはホーキンスとカトレアを伴って、森の中を調査していた。

カトレアの話によると、村人たちは度々森に入り、山菜や木の実を採って食べていたという。

例えば、山菜によく似た毒草などが自生していないだろうか。

もしくは、毒虫に刺されるとか。

そう考えて森を探索してみたものの、目立った成果は上げられない。

(それとも本当に、人為的なものなのかな。)

キッドが言うように、この森のどこかに海賊の残党が隠れているのだろうか。

そんなふうに考えていた時、背後でガサリと音がしたものだから、モモは文字通り飛び上がって驚いた。


「きゃ……ッ」

恐る恐る振り返ると、相変わらず無表情なホーキンスが首を傾げていた。

「……どうした?」

「ホ、ホーキンスさん…。びっくりしました。」

彼は恐ろしく気配がない。
お願いだから背後から現れないで。

こちらの焦りを知ってか知らずか、ホーキンスは飄々と尋ねる。

「なにか見つかったか?」

「いえ、特には…。毒薬って線も消えてませんし。」

急がなくちゃいけないのに、原因すら特定できないなんて。
毒薬だったらなおさら、解毒は時間との勝負だ。

「どうだろうか。俺は毒薬だとは思わん。」

「どうしてですか?」

「この村にいた海賊共は、俺たちが完膚なきまでに叩きのめしたからだ。」

そこそこ懸賞金が高い海賊だったようだが、キッド、ホーキンス、キラーの前では手も足も出なかったらしい。

その化け物じみた力で、船長や幹部はもちろん、下っ端の海賊も含めて一掃した。

「海賊の人数を数えていたわけじゃない。もしかしたら逃げ隠れた者もいるかもしれん。」

「だったら…。」

「だが、そんなヤツが俺たちに再び立ち向かうだろうか。」

モモはその戦闘を見ていないからわからないだろうが、本当に圧倒的な実力差だったのだ。

併せて言うならば、自分はともかくキッドは容赦がない。

慈悲というものを持ち合わせていない彼は、刃向かう者に圧倒的な力をもって思い知らせる。

そんな自分たちを相手にして、船長や幹部が倒されたにもかかわらず、果たして立ち向かおうと思えるものだろうか。

答えは、否だと思う。



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