• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第46章 美女と野獣




「あなたは…、誰?」

彼女の正体が気になり、尋ねてみた。

「あたし? ライラよ。」

「あ…、えっと…。」

聞きたかったのは彼女の正体なのだが、あっさりと自己紹介をされ、モモは質問の仕方が間違っていたことを悔やむ。


「あ、あたしも聞きたいことがあるんだけど!」

次は自分の番だと主張するように、ライラは身を乗り出した。

「なに?」

「人を探してるのよ。ええっと…、そう、あたしによく似た子! 知らない?」

知らない者が聞けば、それは意味不明な質問だったかもしれない。

けれど、モモはライラの言いたいことがわかった。

ミラだ。
彼女はミラを探している。

「知っているわ。」

素直に答えると、彼女はそれこそ飛びついてくるんじゃないかと思うほど反応した。

「えッ! それ、本当!?」

「え、ええ…。」

大きすぎる反応に、若干身体を引きながら頷く。

「どこ? どこにいるの!?」

「えっと…、この船に乗っていると思うけど…。」

そう答えるやいなや、部屋を出て行きそうなライラに、モモは慌てて付け足す。

「あ、でも! ここ何日か見ていないの。もしかしたらいないのかも。」

「え! 嘘でしょ!」

目に見えて落胆する彼女を、モモは「いるかもしれないけど!」となぜか慰めることになった。

「ありがと。…あんた、優しいわね。」

モモがそれほど親身になってくれるとは思わなかったのか、ライラは大きく息を吐く。


「貴重な情報をくれたし、お礼をしなくちゃね。」

「え、そんな…。」

モモにとっては、たいしたことではない。

「あんた、捕まってるのよね?」

今さらながらの質問だが、もちろんここに好きでいるわけではない。


「ねえ、ここから出たい?」



/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp