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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第10章 覚醒




『わたしたちが生きるこの世界は、誰かへの愛でできている。』


「モモ!」

こちらへ駆けてくる彼目指して、モモは躊躇なく崖を飛び降りた。

風が歌に喜び、モモの身体をゆっくりと降下させる。


『約束だ、絶対に君と、離れはしない!』


ローに手を伸ばして、彼だけを見つめて唄う。


『約束だ、絶対に誓う。やっと巡り合えたんだ!』


この広いグランドラインで、あなたに…。

「モモ…!」


『絶対に、君を絶対に、幸せにしてみせる!』


まるで舞い降りるかのように、降下するモモを、その腕で抱き留める。


『聞いて欲しいんだ、この気持ちが宝物。』



ローは痛いほどモモを抱きしめる。

「どれだけ、心配したと…。」

ごめんなさい…。


『言葉にすれば、虹色に輝く……。』


ねえ、聞いて?
涙溢れる瞳で、ローを見つめた。

この歌は、あなたのために唄う歌。

わたしの、一生に一度の、『恋の歌』。


静かな森の中に、美しい歌声が響き渡る。


『大好き、君が大好き。これがわたしの本当の気持ち!』


『大好き、すごく大好き。あなたのことが誰よりも!』


『大好き、君が大好き。わたしの想いよ届け!』


『大好き、ずっと大好き。すべてを素直に伝えよう!』


『大好き、君が大好き。胸が苦しくなるよ。』


『隠しきれない、この気持ちが宝物!』


ねえ、伝わったかな。


あなたが、好き。


「ああ。俺も、お前が好きだ。」


涙に濡れた金緑色の瞳に映るのは、とろけるほど、優しく甘い笑顔。


だから、モモも同じくらい幸せそうに笑った。

そして、どちらからともなく、キスをした。



全部話すよ。
わたしが何者かも。

わたしの歌も全部、全部。


だから、セイレーンというわたしごと、受け止めて欲しい。


わたしも、もう、逃げないから。

セイレーンの運命からも、あなたを好きって気持ちからも。



しまっておけない、この気持ち。

君が大好き。




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