第46章 美女と野獣
メルディアは商品を仕入れるため、世界各国、それこそ新世界から東西南北の海まで、いたるところを移動していた。
ビブルカードをたどればメルディアのもとへ行けるけど、その距離まではわからない。
もし新世界どころか、グランドラインにもいなければ、航海に時間が掛かりすぎて、モモの救出は間に合わない。
反対に、もし彼女が近くにいるならば、モモのビブルカードが手に入り、救出の成功率もぐっと上がるはずだ。
コハクの話を聞いたローは、しばらく考えた後、決断をした。
「…俺たちは、そのモモのダチとやらに会いに行く。」
コハクの懸念通り、これは大きな賭けだった。
けれど、例え海軍の船を襲ってエターナルポースを手にいれたとて、航海中のサカズキの船に必ず出会えるとは限らない。
それこそ、海軍本部で待ち伏せでもしない限り。
だったら、他の可能性も試すべきだ。
「そっか。じゃあ、おれたちは海軍のヤツらをぶっ飛ばせばいいんだな?」
「ルフィ。戦うんじゃなくてエターナルポースを奪うだけよ。」
くれぐれも面倒事を起こしてほしくないが、ナミに注意されたルフィは、「よし、わかった」と言いつつも、あんまりわかっていなさそうだ。
そこらへんはもう、付き合いの長い仲間たちに手綱を握ってもらうしかない。
「悪いがそっちは任せた。俺たちはビブルカードが示す方へ出航する。」
サカズキがもたらした被害は大きく、鎮火してもなお、街からは慌ただしさが消えない。
幸い、船の補給は到着してすぐに済ませておいたので、このまま出航することができる。
「お前ら、出航の準備だ。」
「「アイアイサー!」」
ローの指示に、クルーたちがテキパキと動く。
その中にただひとり、モモの姿だけがない。
『次はどこの島に行くの?』
好奇心が隠しきれず、まるで子供のように瞳をキラキラさせる彼女だけが。
だから、次の目的地は。
モモ、お前だ。