第45章 告白、そして…
“ROOM”
ぐるりと大きなサークルが張られる。
サークルの中には、ローとサカズキの2人だけ。
サカズキがチラリと視線を上げてサークルを確認した隙に、ローは長刀片手に駆け出した。
戦闘中に視線を逸らすとは、いくらなんでも舐めすぎだ。
そう思って一気に距離を詰める。
“ラジオナイフ”
切断の上位技であるラジオナイフは、数分の間、切り離したものをいかなる方法であっても接合できないという特性を持つ。
数分間でもサカズキを無効化できるのなら、勝機は見えてくるはずだ。
しかし、刀の切っ先が触れる前に、サカズキの視線がギロリとローに戻る。
「小賢しいわ…!」
“大噴火”
先ほど大地を抉った正拳突きが、今度はロー目掛けて飛んでくる。
「ぐぁ……ッ」
咄嗟に覇気で武装色を纏い防御したが、猛烈な熱に身が焦げ、息もできない。
「言うたじゃろうが、トラファルガー・ロー。七武海になったくらいで…たかが七武海を倒したくらいで、思い上がるなと。」
ゆっくりとした足取りでサカズキが近づいてくる。
衝撃で投げ出されてしまった刀へと、ローは手を伸ばした。
しかし、その腕をサカズキが勢いよく踏みつけた。
「う……ッ」
みしりと嫌な音が鳴る。
「のう、トラファルガー。わしは七武海じゃろうが、全ての海賊は消え去るべきじゃと思うとる。そのわしが、なして七武海を許容しとると思うか。」
質問されている間にも、腕を踏みつける力は緩まず、人の力とは思えないほどの圧力がかかる。
「知るか…ッ」
“カウンターショック”
もう片方の腕で電撃を繰り出す。
けれどその瞬間、ゴキリと小気味良い音が身体に響いた。
骨が、折れた音。
「ぐあァ…ッ!」
苦痛に呻くローを無視し、サカズキは淡々と言い放つ。
「そりゃァ七武海じゃろうが、四皇じゃろうが、時が来れば、いつでもわしひとりで叩き潰す算段があるからじゃけぇ。」
舐めすぎだ。
先ほどローは確かにそう思った。
しかし、舐めているのはお前だと、海軍元帥はそう告げる。