第45章 告白、そして…
「それにしても、赤犬がいるなんて…。危険なのはトラ男くんだけではないわね。」
「どういうこと?」
もちろん、ここにいるすべての仲間が危険なことには変わりないが、ロビンの言い方は誰か特定の人を指すようなものだ。
その意見にフランキーも納得したように頷く。
「ああ…、ルフィのヤツか。」
「ルフィ? あ、そうか…。」
言われて思い出した。
サカズキはエースの仇といってもいい存在だ。
「ルフィのことだもの、赤犬を見つけたら、きっと戦いを挑んでしまうわ。」
けれど、今はまだ勝てる見込みがない。
「早ぇところ連れ戻さないとマズイな。」
今ここで海軍と本格的にやり合っても、なんのメリットもないのだ。
「フランキー、ここを任せられるかしら。私もみんなを探しに行くわ。」
ロビンの能力を駆使すれば、街に目を咲かせて、もっと早く見つけられるはず。
「おう! 任せとけ!」
ドンと胸を叩いたフランキーは、海兵が何人きても、船には傷ひとつ付けさせないと頼もしく意気込む。
「モモ、あなたは無茶しないでね。」
「うん、でも…。」
状況の悪さがひしひしと伝わってくるのに、自分はなんの役にも立たないのだろうか。
「ダメよ、赤犬は冷徹で非情な男なの。あなたも狙われているんだから、決してひとりにならないで。」
「…わかったわ。」
「いい子ね。」
モモの頭をひと撫でしたロビンは、すぐに船を降りて颯爽と街に向かって走り出した。
「よし、それじゃ俺はいつでも動けるように、出航の準備をするか。」
「わたしも手伝うわ。」
どしどしとデッキから移動するフランキーに慌ててついて行く。
「おう、じゃあコーラの補充をしてくれ。」
彼の指示に頷き、モモは倉庫に向かう。
こんな時に、自分はこれくらいしかできない。
本当になにもないのかしら。
わたしに、できること。