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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第45章 告白、そして…




「まぁ、不安を煽るわけじゃねぇけどよ、ドレスローザじゃ海兵どもの力も借りたしな…。」

間近で兵力を見たからこそ、安心できないのだとフランキーは言う。

「でも、それはトラ男くんもわかっていることだし、彼は慎重な人よ。あんまり無理はしないんじゃないかしら。」

徐々に顔色が悪くなっていくモモを見て、ロビンが優しく言った。

そうかもしれない。
だけど…。

モモはまだ、みんなに伝えていないことがある。

「わたし、ローに言っていないの…。」

「……? なにを言っていないの?」

ねえ、お願い。
大丈夫だって言って。


「軍隻を率いて島にやってきたのは、海軍元帥のサカズキだったわ。」


祈るような気持ちで告げると、2人の表情が驚きに変わり、みるみるうちに焦りが浮かんできた。

「なんですって…!?」

「おい、マジかよ!? あの赤犬がいるってのか!」

2人の表情を見て、事の重大さをようやく知った。

「それって、どのくらいマズイことなの…?」

恐る恐る尋ねると、ロビンは眉間にギュッとシワを寄せて答えた。

「マズイなんてものじゃないわ。正直、今の私たちが束になっても適わない。」

「え…ッ!」

海軍幹部の強さを目の当たりにしたことがないモモは、強いといっても、せいぜい苦戦するくらいなのかと勘違いしていた。

それが、束になっても適わないって…。

「相手は海軍のトップだからな…。大将の藤虎ひとりに手も足もでなかった俺たちじゃ、とてもじゃねぇが勝ち目はねぇよ。」

そんな相手に、ローはひとりで行ってしまった。

モモが言わなかったから。


この海で、ローが1番強いのだと思い込んでいた。

世界は広いって、知っていたはずなのに。

自分が知る世界は、ほんの一部なのだとわかっていたはずなのに。

どうして。

どうして、わたしはいつもいつも…!



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