第45章 告白、そして…
ローと別れ、しばらく海岸沿いを歩いていくと、見慣れた黄色い潜水艦と、船首が可愛いライオンの海賊船が見えてきた。
「良かった、船は無事ね!」
船の在処が海軍にバレていたから、もし敵の手に落ちていたらどうしようかと思っていた。
傷ひとつない船の姿に、ホッと胸をなで下ろして近寄る。
「あら…、モモなの?」
サウザントサニー号から人影が現れ、声をかけてきた。
「ロビン…!」
船から顔を出したのはロビンだった。
今朝別れたばかりだったのに、もう数日会っていないような気がする。
「どうしたの、その格好。まさか、海兵に…?」
「うん、ちょっと見つかっちゃって。」
服は破れているし、身体は泥だらけの傷だらけ。
心配したロビンがひらりと船から降りてくる。
「女の子にこんなことをするなんて…。ひどいことするわ。」
着ていたカーデガンをモモに掛けてくれた。
「あ、ううん。乱暴されたわけじゃなくて、逃げる時に自分で引っかけたりしたのよ。」
こんな有り様になったのは、ただ単にモモの運動神経が悪いのと、身体がもとの大きさに戻ったせいだ。
「追いかけ回すだけで、十分ひどいことよ。」
ロビンが能力を使って、船から縄バシゴを下ろしてくれた。
「大丈夫、上れる? 傷を診てもらいたいけど、今はチョッパーもいないの。」
「平気よ、このくらい自分で治療できるから。ありがとう。」
勝手がわかる自分たちの船に戻ると、ハートのクルーは誰もいなかったが、唯一船番をしていたヒスイだけが近寄ってきた。
「きゅきゅ!?」
「大丈夫よ、ヒスイ。」
ボロボロのモモを見て、驚きの声を上げるヒスイを撫でた。
部屋に戻って傷口に薬を塗り、ピチピチの子供服を脱いで、きちんとした服に着替えた。
ようやく人心地ついたところで、自分がすべきことを思い出す。
「そうだ、ロビンにローのことを話しておかなきゃ。」
彼が時間を稼いでいることを伝えれば、今後の動きを考えるのに役立つだろう。
それから、サカズキのことも…。